瀬戸線の栄町乗り入れを見据え、1978(昭和53)年3月19日に行われた架線電圧600Vから1500Vへの昇圧に対応するために、瀬戸線専属車両として新造された6600系。それから34年間、瀬戸線の近代化と日々の輸送を支えてきました。しかし2008年に登場して増備が続く後継車両4000系による置き換えが進み、最後まで残った4両(6601F+6604F)も引退することとなりました。
最終運行日となる3月3日にはさよなら列車が尾張旭→栄町→尾張瀬戸→尾張旭の区間で運転され、沿線は6600系の最後の姿をカメラに収めようと多くのファンで賑わった他、事前の報道などで引退を知った沿線の住民がカメラを片手に6600系を見送る姿も見られました。
さよなら運転終了後、6600系は尾張旭検車区に入庫し、さよなら列車の乗客を対象に検車区で撮影会も行われました。
イベント終了後、6600系は検車区検修庫16番線に入場。今後金属リサイクル工場への搬出日までの間は、検車区内で部品の取り外しなどの廃車準備が始められるものと思われます。
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6600系は3月2日はさよなら運転の準備のため運行がなく、通常営業の最終日は3月1日となりました。写真は3月1日の尾張瀬戸7:18発の754レに入る6600系。この後尾張瀬戸〜栄町間を2往復し、栄町9:25発の903レが最終運用となりました。
2013年3月1日 尾張旭〜旭前間にて |
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2日は6600系は運用を休んでさよなら運転に備えた準備が行われました。約1ヵ月間取り付けていたヘッドマークを取り外し、さよなら運転用の装飾が行われました。
2013年3月2日 尾張旭検車区にて |
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翌日に備えて留置線で休む6600系の横を瀬戸のお雛めぐり系統板を取り付けた6035Fが通過します。短期間だけ見る事が出来た並びです。
2013年3月2日 尾張旭検車区にて |
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暗くなり構内の水銀灯によって照らされる6600系。6600系の次に引退が噂される6026Fと並んで静かに休む。
2013年3月2日 尾張旭検車区にて |
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さよなら運転当日となる3月3日、出庫に向けて構内の入換作業が始まりました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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検車区西側の留置線に移動した6600系。今後の瀬戸線を担っていく4000系に挟まれ、最後の仕事に出るのを待つ。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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午前8時、尾張旭駅でさよなら運転の受付が開始されました。2月2日に発売された6600系さよなら入場券セットに封入されていた応募券を送り、抽選で当たった人が今回のさよなら列車に乗車できます。
2013年3月3日 尾張旭駅にて |
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イベント時に毎回行われる名鉄の鉄道グッズ販売。今回ももちろん行われました。
2013年3月3日 尾張旭駅にて |
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乗客の案内時などに使用するカードです。6600系のイラストと、ラストラン用の車体装飾の図柄が入っています。後ほど6600系車内で行われたじゃんけん大会の景品になりました。
2013年3月3日 尾張旭駅にて |
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検車区を出庫した6600系が尾張旭駅中線に到着し、さよなら列車の乗客が乗車します。わずかな時間ですが、乗車する参加者も撮影できる時間が設けられていました。
2013年3月3日 尾張旭駅にて |
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さよなら列車は定刻に尾張旭駅を発車。有名撮影地の矢田川橋梁には瀬戸線ではあまり見る事のない数のカメラマンが集まっていました。
2013年3月3日 守山自衛隊前〜矢田間にて |
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さよなら列車は栄町駅に到着。栄町乗り入れのために作られた6600系が栄町に来るのは、これが最後になります。
2013年3月3日 栄町駅にて |
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名鉄のイベント列車の車内でおなじみとなっているじゃんけん大会も行われました。カットしていないシート状態のメモリアルカードや水野ア一氏の特製版画など、貴重なものが勝者にプレゼントされていました。
2013年3月3日 さよなら列車車内にて |
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さよなら列車は尾張瀬戸駅に到着。駅のホームでは手作りのカードを掲げる親子連れの姿も見る事が出来ました。
2013年3月3日 尾張瀬戸駅にて |
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さよなら列車は無事に尾張旭検車区に到着しました。留置されていた4010Fなどがお出迎え。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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検車区に到着して検修庫ピットに入ると、つり革狩りが開始されました。持参したドライバーで参加者が1人1個その場で天井から取り外し、6600系の形見を持ち帰って頂こうという企画。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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多くのつり革が狩られ、ちょっと寂しくなった天井。つり革の他に取り付け金具も外している人が多かったようです。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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つり革狩りが終了すると車外に出て、撮影会が始まります。まずはピットに停車した状態で撮影。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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その後参加者は検車区西側に移動、6600系も8番線に移動します。順光で編成を撮影する事が出来ました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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撮影会のために2両ずつに分割します。分割方法も作業員の方が説明しつつ、撮影時間を設けて行われました。まずは幌を分割します。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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次にエアーホースなどを分割していきます。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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渡り板を跳ね上げ、連結器を開放して2両に分割完了。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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試運転の時以外は2両の姿は見なくなっていた6600系。幌も付いたちょっと昔の姿になりました。スカートの蓋はエアーホース等があるため解放したまま。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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2編成を並べて撮影会が開始されました。天候に恵まれて綺麗な青空が広がっていました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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撮影会恒例のレアな表示を出しての展示。時間をおいて方向幕を変更しており、様々な組み合わせが撮影できました。停車駅的に意味のないコマ「準急|喜多山」と「普通|大曽根」。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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「急行|三郷」と「急行|大曽根」。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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撮影会も終わりが近づいたころ、サプライズで系統板の掲出が行われました。1988年8月20日の運転された10才児ご招待号の系統板が、当時と同じく手摺りに固定されました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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栄町乗り入れ10周年記念 10才児ご招待号の金色に輝く系統板です。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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1988年当時の写真です。幌付きの6600系の前面手摺りに系統板が固定されています。
1988年8月20日 尾張瀬戸駅にて |
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6600系と営業開始が近い新車の4013F、瀬戸のお雛めぐり系統板を取り付けた6035Fの並びです。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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12:30、イベントは無事終了しました。イベント参加者が去った検車区の中では職員さんたちの記念撮影が行われていました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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6600系が検修庫内へと引き上げます。ここで2本を同時に並走させて検修庫内に入庫するという、心憎い演出。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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2本がゆっくりとした速度で検修庫の中に入っていきます。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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2本が中に入ると、ゆっくりとシャッターが下ろされました。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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イベント終了後しばらく間を置き、明日からの操業の準備が開始されました。6600系も一度4両に戻され、入換を実施。16番線に入場するため、車両移動機を連結します。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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編成は4両に戻されましたが、幌は離されたままです。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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パンタグラフを下し、ゆっくりとした速度で16番線へと入っていく6600系。これから廃車準備が進められると思われます。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
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ちなみに本日発売された新グッズ。200個限定の6600系キーホルダー2種。右端はさよなら列車の記念品です。
2013年3月3日 |
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つり革狩りで頂いてきた6600系のつり革、そして参加者に配られた粗品です。ウエットティッシュはつり革狩りの際に汚れた手などを拭けるようにという配慮があったようです。さくらTRAIN缶バッチにはある仕掛けが…。
2013年3月3日 |
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参加者の中から幸運な2名の人にさよなら列車の運転士カードがプレゼントされました。さくらTRAIN缶バッチの裏が赤く塗られている人が当たりという仕掛けでした。
2013年3月3日 さよなら列車車内にて |