続々と増備が行われている4000系と入れ替わる形で廃車が進んでいる瀬戸線の従来車両。2013年3月3日のさよなら運転をもって引退して廃車となった6600系の最後の4両(6601F+6604F)の金属リサイクル工場へ向けたトレーラー輸送が、3月14日・15日の2日間にわたり実施されました。
輸送にはこれまでにないほどのギャラリーが集まり、地味ながら瀬戸線専属車両であった6600系に何らかの思い入れのある方が多かったのかもしれません。
6600系の引退で瀬戸線に残る赤い電車は6000系4編成16両のみ。6600系の搬出後、5月までに4000系が2編成搬入され、引き換えに6000系1編成が廃車となる予定で、瀬戸線車両の4000系統一の日がまた一歩近づくことになります。
|
3月3日のさよなら運転が終了後の尾張旭検車区では、早速搬出作業に向けた準備が始められました。一度16番線に入換します。
2013年3月3日 尾張旭検車区にて |
|
3月5日、検車区には部品の取り外しが開始された6600系の姿がありました。スカートやヘッドライト、SIVなどの一部の床下機器が取り外されています。前面に貼られたさよなら運転時の装飾はこの時点ではまだ残されていました。
2013年3月5日 尾張旭検車区にて |
|
入換作業で15番線に入っていく6600系。15番線で台車の抜き取り作業が行われ、その後は16番線に移動しています。
2013年3月5日 尾張旭検車区にて |
|
13日朝、搬出に向けトレーラーへの積み込み作業を行うために6601Fが16番線から出てきました。車番や方向幕など販売できる部品が外されているほか、台車も外されているため仮台車に載せられています。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
車体吊り上げ作業に使用する2台のクレーンとトレーラーが到着しました。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
朝ラッシュが終了して入庫列車が無くなると、吊り上げ作業が開始されました。モ6701が宙に浮かびます。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
車体をゆっくりとトレーラーへと載せます。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
車体をトレーラーに載せるとスリング等で車体と台車をしっかりと固定して作業完了。もう1両の吊り上げ作業を行うため、トレーラーは検車区正門付近まで移動します。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
1両目のトレーラーが移動すると、すぐに2両目のク6601が吊り上げられます。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
吊り上げ作業が終了すると、2台のクレーンのうち1台が撤収します。このクレーンは翌朝の吊り上げ作業に備えて金属リサイクル工場に向かうようです。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
トレーラーに載せられて固定作業が行われたク6601が検車区正門までバックしてきます。ク6601の先頭部はさよなら運転の装飾は剥がされ、貫通扉も撤去されていました。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
2両の作業が終了し、正門付近で翌日の輸送開始まで待機となります。その間に輸送時に必要なマーカーランプなどの取り付けが行われていました。
2013年3月13日 尾張旭検車区にて |
|
4013F搬入時に検車区正門付近に駐車車両がありトレーラーが通過できずレッカー車を要請する事例があったためか、検車区正門付近に置かれたパイロンにはこれまで無かった輸送の案内が書かれた掲示物が付けられていました。
2013年3月13日 尾張旭市内にて |
|
14日深夜、1日目の輸送が開始されました。6600系トップナンバー車6601Fの最後の姿を記録しようと、多くのファンが集まりました。
2013年3月14日 尾張旭市内にて |
|
いつものように瀬戸街道に出た所で後輪のステアリング機能の停止、操作用リモコンの片付けなどのため少し止まります。貫通扉の外されたク6601の顔は少しさみしい感じがします。
2013年3月14日 尾張旭市内にて |
|
モ6701の顔はトレーラーの照明に照らされています。幌も中間に先頭車が入る編成が無くなり今後は必要ないため、付けられたままでの搬出です。
2013年3月14日 尾張旭市内にて |
|
準備が完了し、瀬戸街道を西に向けて走り出した2両。最後の旅が始まりました。
2013年3月14日 尾張旭市内にて |
|
瀬戸街道を西進したトレーラーは矢田駅西の鉄橋の下をくぐります。34年間鉄橋の上を通っていた6600系にとって最初で最後の経験。
2013年3月14日 名古屋市内にて |
|
トレーラーは名古屋市内を走行。空港線に入って名古屋本線堀田駅前を通過します。
2013年3月14日 名古屋市内にて |
|
東海市のリサイクル工場に到着。空は少しずつ白んできました。
2013年3月14日 東海市内にて |
|
リサイクル工場に到着すると、リサイクル工場のクレーンと先に到着していた輸送会社のクレーンの2台ですぐさま車体の吊り上げ作業が開始されます。
2013年3月14日 東海市内にて |
|
吊り上げられるモ6701。車体が外されたトレーラーを移動させます。トレーラーはその後尾張旭検車区へと戻っていきます。
2013年3月14日 東海市内にて |
|
1日目の輸送が完了。リサイクル工場に到着した車体は地面に並べて置かれました。
2013年3月14日 東海市内にて |
|
2日目のトレーラー積載作業を前に、検修庫建屋から移動させられた6604Fの2両。モ6704の装飾も無くなっていますが、貫通扉は残されています。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
モ6704の積載作業が完了。検車区正門付近に移動してきました。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
しばらくするとク6604の積載作業も終了。正門前に移動してきます。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
2日間にわたったトレーラーへの積み込み作業も完了し、クレーン2台は撤収していきました。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
仮台車に載せる際に必要で残されていた枕梁も役目を終え、トラックに載せられて先に搬出されていきます。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
モ6704の貫通扉のアップ。引退装飾及びさよなら運転装飾を取り付ける際に開けられた小さなネジ穴が確認できます。
2013年3月14日 尾張旭検車区にて |
|
スカイワードあさひ展望室からの眺め。14日は6027F・6035Fが検車区におり、最近では珍しくなっている赤色が多い検車区です。その横に旅立つ準備を整えた6604Fが待機しています。
2013年3月14日 スカイワードあさひにて |
|
2日目の輸送が開始されました。1日目よりさらに多いファンが6600系最後の輸送を出迎えました。
2013年3月15日 尾張旭市内にて |
|
ナトリウム灯に照らされたク6604の前面部。標識灯が外されて、穴はガムテープで塞がれています。
2013年3月15日 尾張旭市内にて |
|
大曽根駅前の五叉路を通過し、森下駅方面を目指すモ6704。
2013年3月15日 名古屋市内にて |
|
空港線に入り、高辻交差点を通過する。
2013年3月15日 名古屋市内にて |
|
リサイクル工場入口前に到着したク6604。薄暗い中、6600系の特徴でもあった幌付きの顔が後続車のヘッドライトで照らし出されました。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
工場にモ6704が到着し、2日間に渡った4両の輸送が終了しました。後ろには前日運ばれ窓ガラスを外すなど早速解体作業が始められている2両の姿がありました。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
ク6604の吊り上げが開始されました。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
続いてモ6704の吊り上げが開始されます。ドアに通されたワイヤーが食い込み、車体が歪んでいます。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
トレーラーから降ろされた車体は地面に並べて置かれました。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
クレーンによる作業が終了すると、リサイクル工場の作業員の方が車内から何やら引っ張り出してきました。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
集まっていたファンへのサービスなのか、外されて車内に置かれていたスカートを前面に置いてくれました。ただし組み合わせは上手くいかなかったようです。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
6600系の前に積まれていた鉄くずの山は、元は台車だったようです。ボルスタアンカや軸受け部などが確認できます。
2013年3月15日 東海市内にて |
|
トレーラーから降ろされ、地面に直置きで並べられた6601Fと6604Fの4両。今回の廃車により6600系は形式消滅となってしまいました。瀬戸線用として製造され黙々と瀬戸線を支えた6600系、34年の活躍お疲れ様でした。
2013年3月15日 東海市内にて |