旧式の吊りかけ駆動方式であった6750系AL車を始めとした旧型車両の一掃と車体の塗装設備を設けなかった尾張旭検車区への対応のために、2008年8月から開始された瀬戸線へのステンレス車両4000系の導入。2013年3月に導入された4018Fをもって瀬戸線の車両更新が一先ず完了しました。それにより現在の名鉄シンボル的カラーリングであり、また瀬戸線では48年間親しまれてきた「赤い電車」が瀬戸線から姿を消す事になりました。
最後まで瀬戸線に残った赤い電車は6000系6035F。運行が4月6日で終了するため、最後に赤い電車のさよなら運転が実施されました。
さよなら運転には1月18日から発売されたフリーきっぷの番号によって選ばれた200名が乗車、尾張旭〜栄町〜尾張瀬戸〜尾張旭検車区の区間を走行して行われました。さよなら運転後は尾張旭検車区で撮影会などのイベントも行われています。
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6035Fの通常運用の最終日は4月4日でした。4日は朝のラッシュ時に1本だけ存在する喜多山行きに運用されるなど1日にわたり運用され、最終運用は栄町22:36発の2257列車となりました。満開の桜の横を通過する6035F。
2014年4月4日 三郷〜水野間にて |
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4月5日、6035Fは翌6日のさよなら運転に備えて検車区で準備が行われました。他にもさよなら運転の様子を生中継する地元ケーブルテレビが検車区内で準備を進めており、リハーサルなどが行われていました。
2014年4月5日 尾張旭検車区にて |
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さよなら運転後の撮影会のリハーサルも行われ、車両の停止位置などの確認が行われていました。このリハーサル後に前面の装飾作業が行われたため、装飾の無い6035Fの姿を見る事が出来たのはこれが最後となりました。
2014年4月5日 尾張旭検車区にて |
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1時間ほどで装飾が完了し、自然光での装飾の見栄えの確認などのために検修庫から一度外に出されました。
2014年4月5日 尾張旭検車区にて |
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6日早朝の尾張旭駅の様子。尾張旭駅で発売される検車区撮影会への入場権利付き入場券(200枚限定)を手に入れようと、多くの人が並びました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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栄町発の始発電車が尾張旭駅に到着する前に、列はすでに北口ロータリーまで伸びていました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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入場券を購入予定の人に購入希望枚数を確認たところ200枚を超えていたため、やや前倒しで販売開始。すぐに完売となりました。栄町駅には尾張旭駅に行っても買えない旨を知らせるため、完売を知らせる掲示が貼り出されていました。
2014年4月6日 栄町駅にて |
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入場券以外にも名鉄グッズの発売も行われました。イベント時にお馴染みとなっている系統板キーホルダーが今回も登場。今回はイラスト系統板ではなく、装飾付きの6000系の前面が描かれています。裏は尾張瀬戸の行先板でした。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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8時になると尾張旭駅前でさよなら運転に当選した人の受付が開始されました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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受付ではさよなら列車の乗車証明となるキーホルダーとステッカーが配布されました。ステッカーには1枚印が付けられており、それを手にした幸運の方にさよなら列車の運転士カードがプレゼントされていました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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瀬戸線からの赤い電車の引退はテレビや新聞などの報道関係からも注目されており、テレビ局各社や新聞社の姿も多くみられました。中でもフランスのテレビがさよなら運転が日本ならではの珍しいイベントという事で、今回取材を行っていました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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8時33分、本日の主役である6035Fが尾張旭駅中線に入線しました。さよなら列車の乗車組がホームに移動して発車時間までの間ホーム上でプチ撮影会となりました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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乗客の案内に使用されたプラカード。これまでに発行された記念入場券などがデザインされています。さよなら列車発車後は不要になるため、お馴染みのじゃんけん大会の商品になりました。
2014年4月6日 尾張旭駅にて |
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尾張旭駅を8:54に発車。乗客は瀬戸線での赤い電車の最後の走りを堪能していました。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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上り列車を綺麗に撮影出来る有名撮影地「矢田川橋梁」は多くの人が撮影していました。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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矢田の満開の桜並木の横を駆け抜けます。桜並木と赤い電車の組み合わせはもう見る事が出来ません。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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栄町駅に9:14到着し6分間停車。この栄町駅停車中の時間を利用して600V時代に装備されていた瀬戸線のミュージックホーンが車内放送で流されました。ホームの案内装置には「団体」の表示。もう赤い電車が栄町駅に来る事はありません。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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下りの車内では恒例の記念品争奪じゃんけん大会が催されました。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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じゃんけん大会の記念品は名鉄グッズや水野ア一さんの木版画、商品を入れて来た袋やじゃんけん大会のリストまで、ありとあらゆる物が出品。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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さよなら列車は鉄道ファンの他にも今日が最後と聞きつけた多くの地元の方などが沿線から見送る中、瀬戸に向けて快走。9:56に無事に尾張瀬戸駅に到着しました。あとは尾張旭検車区までの区間を残すのみ。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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さよなら列車はついに尾張旭検車区に到着。本線上に別れを告げて留置線に入っていきます。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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6600系さよなら運転の時に実施され変わったイベントとして一躍有名となった「つり革狩り」。今回のさよなら運転でも実施されました。乗客は持参したドライバーでつり革を「狩って」いきます。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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収穫後の車内天井付近。天井への固定金具はネジが固く外し難かったのですが、多くの人が金具ごと外されたようです。
2014年4月6日 さよなら列車車内にて |
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つり革狩り終了後、電車を庫外に移動させて撮影会が開始されました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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撮影会は3月31日に運用を開始したばかりの4018Fと6035Fを並べて行われました。世代交代を象徴する光景です。6035Fは方向幕を何度も変更、多くの人が入れ替わって撮影できるように配慮されていましいた。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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今回のさよなら運転のヘッドマーク。楕円のマークには赤い電車の最終運行日や6750系のイラストが描かれていました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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ヘッドマークは系統板差しに挿入できるように裏側に四角い板が取り付けられています。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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運転台窓上部にはピンク色のリボンが貼られました。中に星印が並びますが、1か所だけ桜の花となっています。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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運転台窓下部には青色と黄色のリボンが貼られました。黄色のリボンにはメイテツウイングが、そして青いリボンには涙がデザインされていました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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1月に取り付けられた迎春板、6031Fのさよなら系統板も展示されていました。希望者は手に持って記念撮影を行う事が出来ました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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瀬戸線のさよなら運転の時に毎回製作して頂いている水野ア一さんの記念スタンプ。今回のラストラン記念も用意されており、多くの人が記念に押していました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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6035Fを様々な角度から撮影したり、6035Fをバックに家族・友人や職員の方と記念撮影をしたり、参加者のそれぞれが赤い電車との最後の別れをします。そして12時30分に撮影会は無事終了しました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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撮影会終了後、最後に今回のイベントに携わった職員の方の記念撮影が行われました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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記念撮影後、6035Fはゆっくりと検修庫の中に入って行きました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |
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検修庫のシャッターがゆっくり下ろされます。今回のさよなら運転、そして瀬戸電の赤い電車の歴史に幕が下りました。
2014年4月6日 尾張旭検車区にて |